音楽と 恋に それぞれの夜明けが来る-
今日は、映画ギヴンを観た感想、考察について語っていきたいと思います!!
(C)キヅナツキ・新書館/ギヴン製作委員会
※今回は映画の感想と考察に特化した記事となりますので、作品内容については割愛させて頂きます。
※あと、こういう映画って書いたことないので、ファンによる長めの雄叫びだと思ってお付き合いください。
(感想)恋愛作品を観てこんなにも心が切なくなったことは初めてでした。
まずこれを最初に言わせてください。
『泣きっぱなし』でした。
映画は本当に60分という短い時間でしたが、作品として本当に「完成」されていて、この映画をここまで作られた製作者の皆様は、本当に、本当に、原作を愛していらっしゃるんだなと。本当にこの作品が映画化されたことが嬉しいですし、まずはすべてのスタッフの皆様へ感謝の気持ちを伝えたいと思います。
何でそこまで泣けるかというと、
この作品、音楽であったり、恋愛であったり、
そのすべてが、あまりにも「美しい」んです。
全てに対して、アニメという『創られたもの』ではあっても、「作られたもの」ではけっして無くて、登場人物が描く恋愛模様だったり、一人ひとりの感情の変化であったり、それをアニメとして不自然に美化してしまうことなく、本当に自然体で共感できるんですよね。
恋愛に対する切なさとか、愛おしさとか、尊さとか、今の疲れた世の中に慣れてしまったせいか、本当にまぶしくてしんどかったです(※尊死)
(考察①)印象に残ったシーンについて振り返る~「手」と「手」が重なるシーン~
映画は1時間というけっして長くはない時間ではあるものの、すごく考えさせられるシーンがたくさんありました。
今回、雨月と秋彦、秋彦と春樹、それぞれが重なり合うシーンが描かれますが、どちらにも「手」と「手」が重なりあうシーンがとても繊細に描かれています。
雨月という天才と秋彦が重なるシーンでは、とても繊細に、指がひとつずつ、とても大切なものに触れるような、そんな描写が描かれています。
これは秋彦が雨月に対する思いが現れてて、、、予告でも「ずっと、、、この男が嫌いだ、、、」って言っていたその言葉の裏にある『気持ち』そのものなんだなと、、、まじまじと見てしまいましたね。
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そして、秋彦と春樹のシーン、こちらは、また先ほどのシーンと異なって、秋彦が強引に春樹に迫ってしまう様子が描かれています。
春樹は、作中でも、秋彦に対して「器用貧乏だよね」と自分には持っていないものに対する何気ない気持ちが言葉に出るところや、真冬が才能を開花させて上ノ山と作曲を進めている姿をみて、天才肌の三人から徐々にコンプレックスが溜まってしまいます。
そんな中で、強引に倒された春樹は、秋彦に対して
なんなの、、、言ってよ。。。なんでもしてあげるから。。。
と言います。
それも、秋彦に対して手でなでるようなシーンが描かれるのですが、ここが、秋彦が春樹に、ではなくて、春樹が秋彦に対してっていうところが結構ポイントだと思ってます。
そこで秋彦は春樹に『お前に言ってもどうにもならない』って言ってしまうんですよね。。。
たぶんですけど、秋彦は酔った勢いもあって、でも傷ついた心をなんとか癒されたい、そういった気持ちで押し倒してしまったのだと思うのですが、春樹を押し倒してどうにかなったとしても、それが雨月でないと「手が触れた瞬間」にわかったんでしょうね。
そんなこと、春樹にはわかりようがないし、その言葉は春樹に対してはナイフよりも鋭く刺さってしまう凶器となってしまい、、、なんかもうしんどかったです。。。
そういった感情の変化をしっかりと後押しする繊細な作画には、もう言葉がでませんでした。
(考察②)春樹の魅力について語りたい
やっぱりこの作品に対してはどうしても春樹を推してしまいます。
ここで、映画の中で心動かされたシーンをいくつか紹介させて頂きます。
秋彦が春樹に「同居人が、、、」と話すシーンで春樹が「同居人!?」というあの感じ、、、思いを寄せている人が、自分の知らないところでもっと距離が近い人がいるんだなぁ、自分の知らないその人との時間があるのかなぁって、なんかすごくぎこちなくなってしまうのを誤魔化して平静を装う感じ、、、個人的にすごくわかるってなりました。笑
<1>3人の天才と自分を比較してしまったがために抱いてしまうコンプレックスについて
音楽も、音楽以外も、俺ばっかり必死で。。。
春樹が作中に言うこのセリフが、、、本当に胸が苦しくなりました。。。
作中でもバンドの世話役、おかん的な存在の春樹は、一番周りが良く見える(気遣いができる)からこそ、周りと「閉じてしまう」こともあれば、自分に足りないものが人一倍見えてしまうのもあって、、、
20歳も超えた年ごろにもなると、自分が努力では越えられないもの、頑張っても掴めないとわかってしまうこと、でもわかってはいるけどがむしゃらにもがく年頃でもあるのかなぁとか思って。
そんなときに自分が好きな人が悩んでいる、何かを求めている、それは自分ではないのかもしれないけど、それでも必死に
なんなの、、、言ってよ。。。なんでもしてあげるから。。。
と秋彦に言うんですよね。。。それはきっと、自分ではなんとかできないんだろうなって、どこかでわかっている自分も感じながら。。。
音楽では天才に置いて行かれ、、、恋愛では自分が求めている人が自分を向いていないと気が付かされて、、、
なんかもう、涙腺崩壊でした。
ずっと伸ばしていた髪も、秋彦のためだったんだろうなぁ。余程の思いで断ち切ったんだろうなぁと、胸が苦しくなった瞬間でしたね。
<2>春樹の性格についてガチ考察したらこれがまた尊い、、、!
春樹って、すごい人がいいとも思いつつ、あえて見て見ぬふりをしたり、心を閉ざしたり、素直になれなかったり、肝心なところで鈍感だったり、すごく人間らしい部分を持ち合わせていると感じました。
春樹が秋彦に対する思いを決別すべく髪を切ったときも、別に秋彦は春樹のことをフッたとは思っていないだろうに、でも春樹はなんでそんな気持ちなの?そんな顔しているの?「どうして?」って聞くこともしていないんですよね。。。この秋彦と春樹の感受性の相反があるからこそなんだよなぁとかなんとか。
春樹が秋彦と同居生活を始めてから、バイオリンに対して本気で打ち込む姿や、音楽に生活の多くの時間をつぎ込んでいる姿を見て、秋彦に対する固定概念だったり出会ったときに抱いていたものが、いい意味で壊れていったんじゃないかなぁって思います。
なんでもできるけど器用貧乏、でもその裏には努力という裏付けがあって、あのコンクールで演奏する秋彦の姿をみるまでの過程をがあったからこそ、最後に『いいよ』って、あの一言があったんだろうなぁって思いました。
※あの河川敷のシーン、もうキュン死します。しんどいです。(尊死)
改めて、春樹ってとても人間らしいし、多くの人と重なる部分があるし、だからこそ、結ばれたことに対して心から涙が出ました。
(考察③)雨月との別れ~『おれはバイオリンが好きだ』という別れの言葉~
個人的には雨月が一番好きなんです。
雨月について書き始めたら、なんかもう泣いてしまいそうで、、、
天才には天才にしかわからない悩みがあって、、、それがマグカップを思わず割ってしまうシーンでも現れていたなぁとか。
二人が過ごしてきた時間が本当に雨月にとって大切なものだったんだなぁ、、、っていうのが、作中で流れる『夜が明ける』のライブシーンで、正直私は、俺病気なのか?って疑うくらいに胸が張り裂けそうになりました。
『でも、やっぱりやだな。』
『今、この部屋に詰まっているものが全部消えちゃうのは』
『なにかひとつ、残らないかな』
『二度と元に戻らなくても、音楽だけは、残ればいいのに。。。』
その雨月に対して、『おれはバイオリンが好きだ!』といって、秋彦が自分が進むべき道を伝えたあのシーンは、もう涙が止まりません。
自分の目の前で、自分と違うその人(春樹)と奏でる音楽があって、その人を必要としていることが音楽によって伝わって、、、こんな皮肉、あまりにも切なかったです。
秋彦にとっては、今の恋人が春樹であっても、雨月への思いは不変なんだろうなって。
たとえそれが恋人という関係でなかったとしても、お互いにエールを送りあえる関係って、、、すごくすごく美しくて、でもやっぱり切なくて、エンドロール流れているときはもう涙が止まらなくて胸が締め付けられました。
(考察④)主題歌が意味するメッセージ
今回、主題歌は『センチミリメンタル』の僕らだけの主題歌という曲です。
歌いだしが
もう、戻れないね。。。
という歌いだしなのですが、そこで涙腺崩壊。
ここでいう『もう戻れないね』というのは、雨月、秋彦、春樹、全員が笑顔で前に向かって歩き出すことを意味していると私は信じています。(そう考えたらずっとエンディング流れているとき鼻ズビズビ啜ってました)
主題歌を歌うケースって、製作側からアーティストに依頼するパターンがほとんどかと思いますが、そもそもの製作(音楽)として携わっており、作品が主題歌にどのような役割を担わせるのか、それに至る過程やタイミングはどうなのか、それらをしっかりと考えて、思いの全てを曲に盛り込めたんだろうなと個人的に感じております。
主題歌にも、作品をファンとして応援しているファン目線の曲というケースと、作品を創り上げる製作者目線の曲というケースと、きっぱりではないもののどちらかに偏っていることってあると思うのですが、この曲ほど、作品が伝えたい言葉だったり感情だったり、それこそ切なさや愛おしさ、尊さを表現できた曲ってなかなかないなぁと感じてます。
歌詞の全てに対してコメントを入れたいくらいですが、特に大好きな歌詞は
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「僕は行くよ」
「ねぇ見ててよ」
「あなたより大事なもの探してくるよ」
「何よりも大事なあなたのために」
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(もうダメだって。。。タオルください。。。)
このラストサビの前に『もう戻れないね』ってダメ押ししてしまうのが本当にこの曲のいい意味で罪なところだと思います。笑
ぜひぜひ、この映画を観ていない方も、この曲を聴いて頂けたら私も嬉しい限りです。
※こちら公式の本予告です。
(まとめ)最後にこれだけは伝えたい
ギヴン、本当に映画化おめでとうございます!
公開劇場数も増えたという明るいニュースもあり、もっともっとたくさんの方にこの作品を知って頂けたら嬉しいです。
※来場特典、ちゃっかりゲットしてます。笑
少しでも共感頂けたりしましたら、コメント頂けたら嬉しいです!
ツイッターもやってますので、この手の絡みは大歓迎でございます。笑
ではでは、本日も読んで頂きありがとうございました!!
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今日という一日に、ありがとう。
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隅田